いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2010.10.27,Wed
割と気に入ったのでこちらにもアップ。
バサラ3、大谷さんと三成、若い頃ネタ。三吉のつもり。
ついでに当店設定
みっちゃんと大谷さんが出会ったのは15歳前後くらい。
大谷さんの発症は二十歳ちょい過ぎくらい。体が完全に不自由になるまでは武芸にも秀でていて、二十歳前後だと三成より大谷さんのが武術的な意味では強い。
バサラ3の時点(二十代後半)で大谷さんの病状自体は結構落ち着いてる。とりあえず、落下しきった、くらいの位置。杖を使用しての自力歩行は可能。
MIKOSHIを浮かせる神通力で、停止している相手の気管を押し潰してSATUGAIすることが可能。ただ、相手に動かれると力の集約が難しくなる。
と、まあそれとはあんまりカンケイナイSSを、以下に。
バサラ3、大谷さんと三成、若い頃ネタ。三吉のつもり。
ついでに当店設定
みっちゃんと大谷さんが出会ったのは15歳前後くらい。
大谷さんの発症は二十歳ちょい過ぎくらい。体が完全に不自由になるまでは武芸にも秀でていて、二十歳前後だと三成より大谷さんのが武術的な意味では強い。
バサラ3の時点(二十代後半)で大谷さんの病状自体は結構落ち着いてる。とりあえず、落下しきった、くらいの位置。杖を使用しての自力歩行は可能。
MIKOSHIを浮かせる神通力で、停止している相手の気管を押し潰してSATUGAIすることが可能。ただ、相手に動かれると力の集約が難しくなる。
と、まあそれとはあんまりカンケイナイSSを、以下に。
頼まれていた書物を渡して、仕事について話し忘れていたことがあったといえば、しょうがなかろと目で畳を促された。
座布団のひとつも出してみてはどうかとも思うけれど、書物やら資料やら、果ては紀之介が日常自身で使用する軟膏やら薬やらが突っ込まれた箱、真新しい包帯に、それらを始末するための鋏や裁縫箱のようなものまでが散乱した部屋では、座布団を見つけるのも一苦労かもしれない。
諦めて座した黒田の視線の先にふと、紀之介の部屋には珍しい色が飛び込んだ。
とにかく、この男の部屋には碌に、色のついたものが存在しない。
風流を好む紀之介ではあったが、自身に向けてその感情感心を向けるつもりは無いらしい。もっぱらその感情感心は外へ向く。
さておき。
「柿か、もうそんな時期になって…」
剥かれて切り分けられ、ちょんと皿にのせられた橙色に手を伸ばそうとすれば、スパンと扇子で手首を打たれた。
「意地汚い真似をしやるな官兵衛殿」
仮にも、上司に位置する相手を扇子で打つとは…などとは捉えない。紀之介は自身の手が他人に触れることを慎重に避ける。それ故の扇子だと、黒田には分かっている。
分かってはいるが、そもそも打つのはどうなのか、とも思っている。
「なんだよ、そんだけあるんだ、お前さんだけでは食いきれまい」
見た感じ、2つほどを剥いてある。食の細い紀之介ではこれを1度に食べきるのは難しかろうに。
素朴な疑問とちょっとした抗議でもってそういえば、紀之介は目を細めてニタリと笑った。
そこで、軽い足音。紀之介の部屋へ早足に向かってくる。そんな、積極的な速度でこの部屋を訪れるものなど1人しかいない。
「紀之介、開けるぞ」
「うむ」
すらりと障子を開けた佐吉は、中に居た黒田に目を留めた途端に表情を曇らせた。というよりは、仏頂面に、なった。
「佐吉、ぬしとの約束を忘れてなどおらぬ。官兵衛殿は我の頼んでおった書物を届けて下さったのだ」
「…そうか」
形ばかりの礼を黒田へ取ってから、すぐさま佐吉は紀之介へと駆け寄った。手にしているのは武芸書か。読み進めるのに、紀之介の手を借りるといったところだろう。それが目的の第一か第二かは不明だが。
「その証拠にほれ、ぬしに見せたいものを用意しておった」
「 ? 」
紀之介の、手首まで包帯の巻かれた手の指先が、皿を指す。
鎮座する可愛らしい橙色に、佐吉はなんのことかと沈黙する。
「紀之川柿というそうだ。我の名の入った水物よ、面白かろ」
「…そう、…だな」
佐吉は、柿を苦手とする。馬鹿正直に真面目な佐吉は物の好き嫌いは『悪いこと』と捉えているらしく本人がそれを公言しているわけではなかったが、黒田はなんとなく、噂でそれを知っていた。黒田ですら知っていることを、佐吉の唯一の親友、紀之介が知らないわけはない。筈。
どういうつもりだコイツと紀之介の横顔を窺うが、額と鼻筋を包帯に巻かれた素顔はただ柔らかい眼差しを佐吉へ送るのみ。
「なので、ぬしにと思うてなァ。佐吉」
「…っ」
正直
紀之介の、この小憎らしい賢しい小姓の、これほど優しい微笑を目撃したのは初めてだった。
佐吉はそうでもないようで、その表情に心を揺らしている様子ではない。ただ、柿が、柿、橙色の小さな果実が。
「さきち」
「…ぅ、む?」
「さきち、紀之を、食ろうてくれぬのか?」
「!!!」
激しい動揺が空気越しにも伝わった。
カッと目を見開き、佐吉は皿の上を凝視している。
ひっでーなーお前さん。
口には出さなかったが黒田は思った。
「紀之はいらぬか? …そうかすまなんだ、ぬしにも好みがあろうなァ」
心なし、しょんぼりといった様子で、指先で皿を引っ掛けてひこうとする。
「そんなことはないっ! 私は紀之を好いている!」
がしっ
決死、という風情で、柿を掴んだ佐吉は目をつぶって一切れ、二切れ、一気に口に放り込む。もさもさわしゃわしゃ。カラクリのような動作で咀嚼し、嚥下し、また一切れ二切れ掴んで口へと放り、もさもさわしゃわしゃ。
「………」
涙目になってんぞ、小生は見た。
「見事よなミゴト、惚れ々々する食いっぷりよ」
うっとりと褒めそやす紀之介は、残念なことに本気なのだろう。ぱちぱちと拍手を送られて、やっと柿1個分を片付けた佐吉はぐったりとしながらも誇らしげである。
「……とうぜんだ、わたしは、紀之が、すきだからな」
いや、弱ってるから。すげぇ弱ってるから。
口に出さないのは、黒田の、佐吉へのやさしさ故だ。死者に鞭も塩も叩きつけまい。
「佐吉…」
「紀之…」
一種のご褒美なのであろう、佐吉の頭をやんわり抱き寄せる紀之介に、佐吉も素直に頭を預けた。頭と背を、ゆるりと撫でられる銀髪小僧が満足だというのなら、もうそれで良いのだろうと黒田は思う。
皿にまだ残っていた柿に手を伸ばして一口齧ると、甘みが咥内に広がった。もさもさと、咀嚼。
ちらり、頭半分振り返った紀之介と目が合ったが、今度はたしなめられなかった。逆に、柿もう要らぬから食って帰れというような雄弁な視線が送られる。
「ほんっっっっっと、酷ぇなお前さんは」
こんな酷い小姓はじめて見た。ついに声に出した黒田だが、紀之介はもとより佐吉にはもう聞こえてもいまい。やれやれと溜息を吐いて皿を手に立ち上がる。
「佐吉、今度は我を食ろうてくれやれ?」
「……」
頷く銀髪が見えたが、見なかったことにする。せめて、そういうことは、退室してからで。
素早く開けた障子の向こう側へ巨体を捩じ込み、素早い動作で閉めて退却。
その後の部屋のことまでは黒田は知らない。
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この話の意訳:
われの為に泣きながら鼻水垂らして柿食べる佐吉ちょう可愛い。
なんかね、うちの大谷さんドSみたいです。受なんですけど。
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