いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2009.12.12,Sat
前の続き。
戦闘開始音楽
戦闘は熾烈を極めた。
アカギ達は既に結構な負傷を負っていたが、あちらに新しく現われた魔物達はまったくの無傷。その上、今まで使用していなかった治癒魔法まで”鷲巣”は使ってくるようになって(この老人ではない方の鷲巣は、治癒魔法は使えない。その鷲巣のフリをし続ける為にあえて今までは治癒魔法を使わなかったのだろうと平山は考えた)、此方の不利はいかんともしがたかった。
「そうそう、私ばかりが君たちの事を知っていても不公平だから…、私も自己紹介をしておこうね」
ね? その方が君たちも対策を立てやすいだろう?
まるで子供を庇護する保護者のように返答を促されて、平山とカイジが戦闘中なのにコクコクと頷いた。何処かの質問に答えてくれないシビア厳しいオトナとは大違いの慈愛っぷりであったので。
「私は”鷲巣巌”。同じ名前だけれど、あの方と同一人物では無くってね、まあ”関係者”の1人だと言っておこうかな」
アカギの放った無数のナイフのような黒の刃を、片手に浮かべた黒い球体にすべて吸い込ませながら”鷲巣”はにこやかに自己紹介を続ける。
「魔法タイプでね、直接攻撃は不得手なんだよ、するのも、されるのも。…見れば判るかな? こんな爺だからねえ」
饒舌、ではあるが、そこに『重要』な情報はあまり無い。
「…ふふ、あまり面白いことは教えて上げられなかったようだね。ではとっておき…私の特技をお見せしようか」
”鷲巣”の周囲を取り囲む、無数の刃。
それは先程アカギが”鷲巣”に向けて放ったものと全く同一の――…
『”鷲巣”の「演じる」』
「がっ…」
「ぅあ…!」
「……!」
黒い刃は一斉に、アカギ達へと襲い掛かった。
ひとつひとつの大きさは無いが、その数は多く、塞ぎきれる攻撃ではなく急所を庇うことが最優先かつ手一杯。
「平山君…、だったかな? 君の「コピー」と似たようなものだよ。「自分と同レベル以下の相手の放ったスキル一種類のみを、その戦闘内であれば好きな時に模倣して使用出来る。」…」
”鷲巣”の治癒魔法が、傷を負ってきた二体の魔物に掛けられる。
「「演じる」が違う点は 「一度受けたスキルであれば、どのような場面においても、どのスキルでも、回数制限なしに使用出来る。」 だね」
「全然違うじゃねぇーか!!!」
平山、思わずツッコミ。
「焼き鳥とTボーンステーキくらい違う…」
「ちょ、カイジぃいい、それ今言わなくていいよな?! なあ?!」
「私はシャトーブリアンの方が好きだねー」
「「このセレブリティーがあ!!!」」
別に今しなくても良いノリツッコミをしながらも、大事な事実は把握できた。
シャトーブリアンステーキ(Chateaubriand steak)とは牛のヒレ肉の中で中央部の最も太い部分のこと(1頭からおよそ800グラム程取れる)で、それを使ったステーキのことを指…
ではなく。
つまり、こちらとしては新しくスキルを使えば使うほど手の内を掌握されてしまうということだった。今までに知らずに使用してしまったスキルは仕方が無いとして、これ以上新たなスキルを”鷲巣”に向けるのは得策ではない。
「アカギ、此処は直接攻撃で…」
「…クク、ズレてるな、平山さんもカイジさんも。いま得策なのはそれじゃない…!」
『「刹那五月雨撃」』
多数の細身の剣が、春の雨の様に静かに無慈悲に、”鷲巣”と二体の魔物へと降り注いだ。
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