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いわゆる裏的な
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Posted by 瑞肴 - 2010.02.06,Sat



おなかへったなー。
俳優パロSS









えっ? という顔をされた。
何か変なことを言っただろうかと、アカギは首を傾げる。
ワシズも、どうしてだろうなと首を傾げる。

「…ですよね?」
「…そう、でもないかと」

何かを思い出しながら、ワシズはウーンと小さく唸った。

「父は…大食ではありませんけれど、…小食でもないと思います」

そんな筈はと、他の相手になら言える自負はあったのだけれど、流石にワシズ相手にまで胸を張れる自信はない。なにせ実の親子、鷲巣の実情を深く知っている方というなら、息子に軍配は上がるだろう。

それにしたって、アカギは鷲巣が食事の際に量を食べているのはあまり見たことがない。
一日中一緒に居たときだって、食事を共にしているときには、やっぱり鷲巣さんは小食気味なんだなー、体は大丈夫なのかなあと心配した覚えがある。

「一緒にご飯を食べてるときは、そんなに食べてないイメージなんですけど…」
「ああ」

合点がいったというよう、ワシズが手をポンと合わせる。

「確かに父は”食事”の量はさして多くありませんね」
「…?」

人差し指が一本立った。

「”間食”が多いんです」

思い出してみてくださいねー、と言われて、回想

「先ずは起きてから朝食、そして昼になる前にイレブンジィズ…本来はちょっとした気分転換にお茶を楽しむという時間ですけれど、父は結構時間を取ってお茶と簡単なお茶菓子をとっています」

そういえばそうだった。朝にお茶の時間があるのかと、イギリスってこういう感じなのだろうかと思った記憶はある。

「昼を過ぎてから昼食、その後、いわゆるおやつの時間、ミッディ・ティーブレイクですね。このときも色々食べてる筈です。殆ど軽食に近いと思いますよ」

それも記憶があった。クッキーやケーキ、数種の焼き菓子に小さいサンドイッチもついていた気がする。

「夜は夕食ですね。それから就寝3時間前にはアフタディナー・ティー。お酒か紅茶に、チョコレートや、ちょっと甘みの強いもの付け合せて…一番軽めかな? これが最後の間食ですね」

チョコレートとアルコールという組み合わせを不思議に感じた夜はあった。

「…言われてみれば…。…俺、一日一緒にいたときはずっと同じものを同じ時間に食べてたのに、…どうして気付けなかったんだろ…」
「若いからじゃないかなあ…」

19歳の男子の食欲では、うっかり受け流してしまっても仕方があるまい。
それにしても改めて言われてみれば、1回々々の量はさして多くはないけれど、1日の量としては結構な分量を鷲巣は採っているらしい。
たくさん食べる鷲巣さんもかわいいなー、ということで結論のついたアカギは、情報提供元のご子息に丁寧に礼を告げてその場を去った。







「鷲巣さん、これも食べますか? 美味しいですよ」

笑顔で差し出された明太子おにぎりを受け取りながら、鷲巣はちょっとした違和感を覚える。
菓子類や飲み物ならともかく、食事の類をアカギに勧められることは滅多になかったので。

「ありがとう。…あの、アカギ君…」
「ずっと鷲巣さんはあんまり食べないんだってイメージがあったんですけど、そうじゃなかったんですね。今まで我慢とかさせてませんでしたか…?」
「え…」
「もしそうなら、本当に…
「いやいや、アカギ君…? どうしてそんなことを言うんだい…?」

経緯をかいつまんで、説明。

「…! あの子がそんなことを…」
「はい。教えて貰ってやっと気付くなんて、鈍いですよね俺…」

恋人失格です。
しょんぼりするアカギに、ふるふると鷲巣が首を横に振った。

「…あのね、アカギ君、………その、…ずっと私が隠そうと…していた…ので、だから君は気付けなかったんだよ」
「は…?」

両手で握っていた明太子おにぎりをひとまずテーブルに置いた鷲巣の目尻が赤い。

「だって…っ、君に大食いだなんて思われたくなかったんだよー…。なんだか恥かしいじゃないか…」

この歳でそんなに食欲があるなんて、はしたない気がして。
耐えかねて視線を逸らしながら零された言葉に、アカギの理性は崩壊しかけた。

「なに言ってるんですかっ! 食べてるときの鷲巣さんも可愛いんですよ?! 美味しいねって笑ってくれるときなんて女神は此処に居たって確信するくらい愛しいんですから!!」

手、握り拳。

「だから隠したりしないで、もっと俺に見せて下さい。俺、どんな鷲巣さんも大好きなんですっ…!!」

どどーん。
バック、荒れた高波日本海。

「…アカギ君…」
「鷲巣さん…」



撮影
再開して良いかな。お昼の時間終わったし。

みんな思った。
しかしみんな大人なので言わなかった。

なんだかこれでいてこの2人の仲は秘密らしいので。



テーブルの上には、まだ口をつけられていない明太子おにぎりが切なく、食べてもらえる時を待っていたのであった。

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