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いわゆる裏的な
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Posted by 瑞肴 - 2010.06.29,Tue
某所のファンタジーな設定と、以前のシャーマンキングネタ混ぜてみた。

アカギ・むこうぶち越境もの。
多分数人にしか通じないネタSS。だがそれがいい。







 
 
 

鷲巣の眼球が忙しなく動いている。
目標を見失った、ようだ。数十メートルも離れていない場所に相手は存在しているのに。

「鷲巣」

呼べば、直ぐにアカギの元へ戻ってくる。
アカギの肩に腰掛けた鷲巣は、不満げに眉間に皺を寄せていた。

「見えないのか?」

僅か、間を置いてから鷲巣は頷いた。

アカギが後方へ跳ぶと同時に、地面が抉れる。

「どうした、対戦も出来ない無能を飼っているのか」

白いローブにフードを深く被った導師は、嘲りを込めた挑発を寄越す。
両腕は体の前で拘束されたまま、顔全体を呪が描かれた布で覆い隠された鬼が、導師の直ぐ傍でぐねぐねと身を捩り踊っていた。
――鷲巣にはどうも、そちらの鬼が見えていないようだ。

また、鬼がくねりと体を捩らせる。

今度は鷲巣がアカギの体を引っ張った。

何かが、体の横を勢いよく通り過ぎる。

「…これは見えるんだな」

今度は鷲巣は頷いた。 手 。唇はそう動く。
地面を見下ろせば、成る程判りづらくはあるが、確かに抉れた地面はまるでそこを大きな五指で引っ掻いたかのような跡にも見て取れた。

ポケットからナイフを取り出したアカギが、自分の小指の根元に傷を付ける。気付いた鷲巣が、その手に軽く触れ、大きく腕を振るう。
鷲巣の唇が笑みに歪んだ。

『踊れ、途切れぬ赤イ糸』

赤い、血の糸は大きな弧を描き”何か”を絡め上げ拘束した。

鷲巣が腕を引けば、鬼の動きが止まる。

みちみちと、鬼から鈍い音がするのを、導師は聞いた。

「クク…、対戦を続けられるかな? アンタの持ち霊は」
「…何?」

鬼は退かない。
退け、という命令を受けていない。

故に鬼は踊った、もう一度。

ぶつ・ぶつ・ぶつ…っん。

酷く鈍い音がすると同時に、アカギの体は”それ”に殴りつけられ宙に吹っ飛び、鬼の手首から先が、長い袖の中にボトリと引き千切れ落とされる。

『……!』

鷲巣はチラと、地面に無残に散らばった”糸で千々に引き千切った巨大な鬼の手”を気にしたけれど、アカギに近寄ると地に膝をついて様子を窺う。

「大丈夫だから、そんな顔しなくていいぜ」
『……』

鷲巣の意識が”それ”から逸れた途端、鬼は導師の足元を華麗に払い、引っくり返したところで”もうひとつ”の手で握り締めると大きく跳躍。

「なっ、えざっ…!!」

鬼の懐が小さく蠢いて、そこから声が漏れた。

「『片腕ではとてもお相手出来ません、失礼しましょう』と言っています」
「……チッ」

”手”に引っつかまれた格好で導師は消え、鬼もあっという間に消えうせる。

無謀な挑戦は容易でも、賢明な撤退となると中々出来るものでもない。鷲巣は眉を顰めていたが、アカギは面白そうに低く笑った。

今度また、見(まみ)える時を楽しみに。


 



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胡散臭い導師→日蔭さん(先日狗を拾いました)
鬼(狗)→江崎さん(喋れない)
鬼の懐に入ってた化猫→後堂さん(江崎さんの使役魔、喋れない江崎さんの通訳)

鬼(狗)は 「制御をかけることで力を向上させる」タイプかなーと。
 

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