いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2010.09.18,Sat
拍手!していただいて!ル!!!! 驚愕のあまりカタカナになりました。
えー、そんな、いいんですか、ありがとうございます。
そんなわけで前回の続き、むこうぶち女体化SS。
人鬼とにょた狗と、元秘書と。
えー、そんな、いいんですか、ありがとうございます。
そんなわけで前回の続き、むこうぶち女体化SS。
人鬼とにょた狗と、元秘書と。
レディーボーデンの500mlカップ(バニラ)を、カレー用スプーンで抉っていた江崎がハッと気付く。
「違いますよ! 仕事に行かなくちゃいけないんです、だからもう戻って良いでしょう?!」
危うく餌付けされるところだった。
危ない危ない…と冷や汗をかく江崎だったが、全裸に両手両足首に深紅のリボンに金の鈴をつけたものを蝶々結びでつけられている時点でとっくにアウト、手遅れだ。
それを膝に乗せた上でソファーに座っていた傀が、白いしなやかな指でもって、腹部を軽く撫で上げた。
「~っ、傀サンっ! ですから、仕事に…」
顔半分、振り向くと、それはそれは穏やかな微笑を向けられた。
「パートに出たいんですか?」
「違います正社員です私! 月給でお給金頂いてますから!! 私を奥様にしようとするのは止めて下さいッ」
「私が養って差し上げます。貴方はただ私に飼われていれば良い」
人鬼怖い。
ヒトの話を聞きゃしない。
スプーンを握り締めた江崎は、チリンと音をさせて大きく両肩を落とした。
そっちがその気なら、こちらにも考えが、ある、のだ。
夜。
日も沈みきった時刻。
江崎はこっそりと寝台から起き上がった。
傀の姿は無い。
そろそろ雀荘、もしくはどこか、麻雀が打てる場に行くだろうと思っていた。
「よし」
さ、逃げますか。
リボンを解いて、はたと気付いた。
服が無い。
「………ちょ」
もともと着ていた筈の服は、そういえば何処にいったのか。
ココに着てからは、衣服と名のつくものは全く身に付けていなかったので失念していた。
「…仕方ないですね、傀サンの服を…」
クローゼットを開けると、大体黒い。
「……仕方ないですね」
大事なことなので2回言いました。
とにかく、事務所に戻れれば良い。
黒のサマーセーターと、実に残念なことに下着もなかったので、黒のスキニーパンツを直に穿く。
「…足長いですねェ、流石」
裃か、という状態になってしまった。もういいやと裾を何度か折って、対処。
綺麗な顔に、美しい体躯。溶けそうになるほど体に浸透する甘い声。そうして案外男らしい、…とまで考えて首を横に振る。
人鬼はとても魅力的だ。男の酸いも甘いも苦いも辛いも(ここ三年半で特に)噛み分けてきた江崎も認めざるを得ないほどに。
それでも、違う。男としての傀が欲しいわけではない。そんなものの為に三年半地獄を這いずったわけではない。女としての悦楽など、最重要でもなんでもない。
ただ麻雀を。
麻雀で人鬼を。刺して、刺しコロして、それでやっと自分は自分として報われる。
顔を上げた江崎の細い目は、外界に繋がるドアを見ていた。
幸い、お金はその辺に転がっている。一束から数枚抜き取って、江崎は数日振りに外の世界へと転がり出る。
「タークシィイイー!!!」
後は全力で逃げるだけだ。
残念ながら、靴も無かった。実に残念だ。
仕方が無いのでスリッパで、タクシーを降りてから事務所までパタパタと走る。まだ灯りがついているということは、誰かが中に居るのだろう。
勢いよくドアを開くと、驚いた――そして少し疲労を滲ませている――後堂が、椅子から腰を上げていた。
「後堂~」
「江崎、心配していたんですよ。連絡も無しに何処に…」
ドフン。
結構な勢いで江崎に突進され、ぐふ、と息が詰まった。
受け止めた体は痩せ細ったりはしていないようで、先ずはそれには安堵する。しかし、この、どこかで嗅いだ覚えのある香水と、全身黒の男物の服は。
「傀サンに拉致されてたンです。ずっと逃げようとはしていたのですが、隙が無く…すみません、色んな仕事を放っておいたまま…」
「…仕事は問題ありません、…大丈夫ですか?」
「…? はい、怪我もしてませんし、大丈夫ですヨ」
にこりと、いつものように江崎が微笑む。
何が大丈夫なんですかと、怒鳴りつけたいのを我慢する。
普段から江崎は何かと無防備だけれど、自分から抱きついてきたりは滅多にしない。泣きついてくることなど、演技以外では皆無といっていい。
それなのにいまこの狗は、自分から後堂に抱きついて、抱き返されてもまだ細い指でワイシャツにしがみ付くことを止めずに強く握り締めている。
何が大丈夫なんですか。後堂は心中だけで吐き出した。
「…服を、どうにかしなくてはいけませんね」
「ああ、そうですねえ、それに靴も無いんです」
ほら、だからスリッパなんです私。
ぱたぱたと音を立てられ、微かにだけれど笑い返す。
「買いに行きましょう。車で出れば、貴女は車内で待っていられますから、何を買ってくれば良いか教えて下さい」
「フフ、頼りになりますねぇ後堂」
もう少し頼りにされたいものです。
溜息に紛れた言葉は音にはならず、事務所が所持している車のキイを取りに行く後堂であった。
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