いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2010.09.20,Mon
これだけは書きたかった。
むこうぶちSS にょた狗と、元秘書と、・・・。
むこうぶちSS にょた狗と、元秘書と、・・・。
コンビニの袋片手に、江崎は夜道を歩いていた。
仕事がちょっとばかり長引いた夜。夕食は済ませていたけれど小腹が空いて、通りすがりのコンビニでおでんを買って、事務所へ戻る最中である。
江崎は定住していない。
以前は、マンション住まいだったのだけれど、ストーカーとかストーカーとかストーカーとか犯罪者があまりに鬱陶しかったので、今は事務所やホテルを寝床にしている。
ふんふーん、とか、鼻歌交じりに歩いていると、向こう側から歩いてきた男とすれ違った。
すれ違いざま、少し、珍しいなと思う。
引っ張っているスーツケースは特に目立つところもない普通の形だったけれど、白の上下のスーツというのは、それなりに若い男性が着るにはちょっとばかり珍しい。
他愛ないことを考えながら通り過ぎようとした江崎だが、頭の後ろ、スーツケースを引っ張っていた音が急に止まったので目を細める。
時刻は真夜中一歩前。
護身術も使えはするが、物騒なことには巻き込まれないのが一番だ。
早足でさり気無くやり過ごしましょうかねえと、一歩踏み出しかけた江崎の後頭部に声が掛けられた。
「女」
きょろ、きょろ。
…人気はない。
えっ、私?!
女、って、そんな呼びかけられ方はじめてされた。
驚いて、思わず振り返った江崎である。
「ぇ…、わたし、ですか?」
スーツケースを引っ張っていた男と視線が絡む。
30代、半ばか。少々特徴的な髪型だった。極端に短いが刈り上げているわけではない。白いスーツには皺も汚れもまったく見当たらず、ネクタイもこの時間だというのにきっちりと真っ直ぐに締められて、髪の襟足はワイシャツにつかない程度に整えられていた。
神経質そうなタイプ、ですねえ。
「そうだ、貴様以外いないだろう」
「あ、はい、すみません」
男は、スーツケースを自分の前に突き出すと前置きも無しにバカリと開けた。
えぇえええ札束ぁあああああ?!(江崎、心の叫び)
「受け取れ、貴様にくれてやる…!」
「えーーーーー?!?????」
意味が分からない。
とりあえず、目の前の男がすごく怖いということだけは分かる。
「俺のすべてを受け取r 「すみませんちょっと私あの、帰っておでん食べなきゃいけないんで… 失礼しますッ!!!!」
ダッ。
江崎、正しい走り方でダッシュで遁走。
夜の街に、ヒールの音が響き渡った。
「待て、女!! 俺の気持ちが受け取れんというのか!!!」
どえらい真顔で呼び止めようとして、追いかけようとして、慌てて閉めたスーツケースに足を取られてスっ転んで起き上がって片手を中空に伸ばしているこの男の名は日蔭と云う。
「………早い。…フ、伊達に俺の見初めた女ではないということか」
誰か、ツッコんで。誰でもいいからツッコんで。
事務所に辿り着いた江崎は、大事なおでんの袋をとりあえずテーブルに置いてから、江崎の帰りを待っていた後堂に状況を説明した。
「…”夜道で急に男に呼び止められてスーツケースを開けられたら中身は札束で、それをやるといわれた”? ……江崎、疲れが溜まっているのではありませんか?」
「ちっ違いますよ夢じゃないです現実でしたっ!」
あまりに突拍子もなければ意味も不明で、後堂は眼鏡を指先で上げなおして考え直してみた。…やはり分からない。
「変質者か何かだったのでしょう」
「ですよねー」
残念、属性としては変質者よりは雀士です。
まったく自覚が無いところで四人目候補と出会った江崎。
何かと不憫な彼女の明日は、どっちだ。
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日蔭さんは
「俺のすべてをやる、受け取れ受け入れろ」というつもりだったようです。
色々と言葉が足りていませんね。
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