いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2010.04.15,Thu
どこぞのタラシという名の道化の話。
オリジナル。
何かを作ろうとしてはいるようです。
偶像を崇拝するなかれ
道化の名を持つ男は、指先でつまんだ小さな金属の塊を押し潰した。
何度も挑戦しているけれど、どうにも形成が上手くいかない。
「――…歌は、ちっと歌えるようになったんだがなァ」
他を灯火とするなかれ
とにかく己は、いわゆる『美術芸術』方面に疎い。
歌、といえば 未だに、旋律をそこそこ正確に発することが出来るのは、古い賛美歌に、幾つかの呪唄と簡単な子守唄のみ。
歌えない。
何かを讃える歌、何か信じるものの為の歌、想いをのせた歌。
造形物が作れない。
雪ウサギすら、満足な形に仕上げられた覚えが無い。
元の形がある武具を、元の形へと戻す作業なら可能だが、一から作品を作り出すのは不可能といってもよい。
己の体は、そういうふうに、つくられている。
たったひとつの決まったものしか、崇められないように、そのほかの何をも拠り所とすることがないように。
そう刻み込まれた魂を基盤として、生れ落ちた体。
男は軽く舌を鳴らし、小さな塊と化した金属をテーブルの上へと放り投げた。
ピアス程度ならどうとでも細工できるだろうと、思ったけれど。
今までそんなものは作ろうとしたことがない。
初心者の上に、このハンデは少々分が悪かったらしい。満足のいくものは、作れず。
「~買いに行くかなー、やっぱ…」
や、でもサイコロ、なら、なんとか?
呟いて、行儀悪く、長い足を机に投げ出す。
咥えた煙草に火をつけると、じわりと滲んだ紫煙に緊張感の無い欠伸が、出た。
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