いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2011.01.14,Fri
むこうぶち妖怪パロDeバレンタイン。
微妙にパサついてるのは、やはりというか江崎さんの所為です。
微妙にパサついてるのは、やはりというか江崎さんの所為です。
あああああ、甘い。甘い。甘い。
止めてくれもう十分だ。何故砂糖壺を置く。殺す気か。
ホットチョコレートを飲まされている日蔭の顔色がそろそろ失せてきているのに気付いて、流石に哀れに思った後堂は口を挟んだ。
「江崎、濃いコーヒーも差し上げてはどうですか?」
「飲み物に飲み物ですか?」
飲み物かこれ。
随分と固体じみた濃度のように思えるが。
「いま淹れたら確実に株が上がりますよ」
「淹れてきます」
踵を返し事務所のキッチンへ消える江崎。素直なんだかなんなんだか。
ぶは。
ずっと江崎に凝視され、カップから口を離すに離せなくなっていた日蔭が、やっと一息。
「…、助かった」
「たいしたことはしていません」
濃厚すぎるチョコレートの香りが漂っている。
バレンタインディ、江崎に引き摺られて事務所にやってきた日蔭が、これまた江崎に無理矢理ホットチョコレートを勧められて飲まされていたという微妙な光景。
「愛されていますね」
ほろりと、何気なく零した言葉だったのだが、日蔭は目に見えて(そもそもこの男は自身の機嫌の良し悪しを隠さないのだが)顔を顰めた。
「誰がだ」
「貴方が、江崎に。…そう見えては問題ですか」
まだ半分は残っているカップを、テーブルに。
「あの男が何故『白が好き』なのか、考えたこともないのか?」
相変わらず、カチンとくる物言いをする男である。であるが、それは日常だ。
むっとして黙った後堂に、日蔭は珍しく奇妙な形に唇を歪めた。傲慢、には見えない。嘲笑にも見えない。どれかといえば、卑下。自身への。
「傀が黒だからだ。黒に変色していない、黒から最も離れた色だから白が良いんだ、あの男はな」
江崎も黒だ。
もとの色がなにであったかわからぬほどの、黒。
「俺が白いから白が好きなわけじゃない」
苦い言葉を吐き出した口をどうにかする為なのか、また固体に近い液体のホットチョコレートを口の中へと流し込む。
「愛されるどころか百年越しの片恋だ。忌々しい」
「………」
デレた。日蔭がデレた。
驚きに目を剥いた後堂に日蔭が気付く前に、江崎がコーヒーカップを二つもって現れる。幸い、耳には届かなかったようで常通りの薄い笑みのまま。
「日蔭さん、此処に置いておきますよ? ついでに後堂の分も淹れてきましたので、どう … ……後堂?」
「え、ああ! はい、ありがとうございます」
貴重なものを見てしまったけれど、自分が見てもどうしようもない、江崎が見なければありがたみは半減だ。
しかしわざわざ口にするのも憚られ、開いた口にはコーヒーを流し込むことに、した。
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