いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2010.12.28,Tue
カードは既に期限過ぎてて送れなんだので、かわりにカードを見たときを少し描写スルノデス。
オリジナルSSS。
オリジナルSSS。
カタン。
小さな音は、ポストに何かが投函された音だ。
こんな夜にまで働いているとは、郵便屋という職業も大変だとまったくの他人事でもって感心しながら、男は重い腰を上げてポストを覗き込みにいった。
「ん」
白い、メッセージカード。
そうか、そういえば今日がクリスマスだったかと遅ればせながら思い出した。この国はひと月以上も前から商戦としてくりすますくりすますと繰り返すので、「本番」がいつなのかを忘れてしまっていた。
今年のクリスマスは中止になりました、だとか、どこかで見かけもしたがあれはいったい何なのか。いわゆるリア充に分類されなくもない男には、その感覚はよくわからない。
それはさておきカードを部屋に持ち帰り、文面に目を通す。
ああ。
驚いた。
月日は動いている、流れている。
それを思い出させてくれるのは、いつだって血肉の通ったダレカなのだ。
そうしてまだ自分にもダレカが居たのだ。
ああ。
驚いた。
「…ふ」
それは、こんなに嬉しいこと。
ちっぽけな命、ちっぽけな熱。あっという間に握りつぶせて、あっという間に逝ってしまうもの。
「ふふ、ふふふ、くっ、はははは」
何故”彼”が、ちいさきものたちを何処までも深く愛したのか
何故”奴”が、矮小なものたちを何処までも嘲笑ったのか
何故”アレ”が、己らとは違うモノを蔑み尊び憎み尽くしたのか
「ははは、今更だ、ははは」
いまもって往生際悪く、この身が人のようであるのか。
どうして、こんな寒い夜にあの乾物は居ないのだろう。居たら、捌かれるのを嫌がるウナギのようにどれだけウネってもこの両腕で拘束してやるのに。実に残念だ。
「…餅と、蒟蒻ゼリー(規定改正前)でも用意して待ってっかな」
高齢の方はご賞味の際はお気を付け下さい。
いまひとつ捻くれた愛情表現を示すために、明日はドラッグストアにゼリーを買いにいくことにして、テーブルの上にカードを緩やかに放り投げた。
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