いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2009.10.26,Mon
俳優パロ
鷲巣さんと、いろいろ
後で少し手直しするかもしれませんーがー。
アカギは基本的にとても『良い子』であったけれど、時折困ったこともした。
先日、やらかしたらしい案件がまさにそれだ。
宴席で、此処数年J-POP界の頂点に君臨し続けている女性歌手に掛けられたモーションを、一刀両断で切り捨てたらしい。アカギのマネージャーが泣きついてきたので、その場には居なかったが鷲巣はことの経緯を知っていた。
自分の腹筋や腿に触れてくる指を、紳士然と外し、相手の目を見て言ったという。
『すみません、俺、恋人にでないと、触れられても反応も勃起もしないんで…。止めて頂けますか?』
アカギの声が聞こえる範囲に居た人間、すべからく凍りついた、らしい。
それはそうだろうと、その話を聞いたとき鷲巣は思わず小さく笑い出してしまった。
勿論、そんなことをされた彼女が無礼な新人俳優を許せる筈もなく、後日、あらゆる手管を使ってアカギの仕事を干してしまおうと工作を仕掛けてきた。そこで、鷲巣が泣きつかれたというわけだ。(マネージャーにである。間違ってもアカギはそんなことでの援助を鷲巣に乞わないので)
鷹揚な老人は、困り果てたマネージャーを軽く宥め、使用人に茶の用意をさせた。
その間に掛けられた数本の電話でことは全て処理され、マネージャー…名を安岡という、が、紅茶に口をつけた頃、鷲巣は『もういいよ』と告げたのだった。
「助かりました…御老人」
数日後、邸に挨拶と礼に現われた安岡を、寛ぐ時用のガウン姿で出迎えた鷲巣はニコリと微笑んだ。
普段、アカギからさんざっぱら、鷲巣さんが笑うと可愛いだの綺麗だのやさしくて愛しくてどったらこったらと聞かされている安岡だけれど、ほんの時折、それに反論したくなる。
こんな、空恐ろしい笑みを、オマエは見ていないからそんなことが言える。
「解決しきったようだね。良かった」
月の光を受ける、それは、魑魅魍魎巣食う芸能の世界で、半世紀以上君臨し続けた化け物の貌。
例の女性歌手は、その影響力の大きさから流石に『逆に仕事を干される』までには至らなかったものの、数ヶ月は謹慎を余儀なくされるネタをスッパ抜かれ、暫く自由に動けない上、イメージも頗る落とされた。
J-POPという流動の特に烈しいジャンルで課せられたそのペナルティーは、随分と重い。
「今回は本当にご迷惑をお掛けしまして…アカギには、自重と妥協を覚えるように言い聞かせておきました」
くふくふと、笑い声が響く。
「アカギ君は頑固だから、…頷かなかったのではないかな?」
「………」
苦虫噛み潰す。
その通り、アカギは口答えはしなかったものの、安岡の苦言に決して反応はしなかった。
「…ふふ、…大丈夫」
鷲巣は月を見上げていた。
「アカギ君は、私が護ってあげるから。…彼が誰にも何も言われない地位を手に入れる…その日まで」
それまでは生きているつもりなんだよと、揶揄のように鷲巣が笑った。本気か冗談か。少なくとも、アカギが自身と同じくの、王になるのだけは疑っていないようだった。
「だからアカギ君は」
蛇、のような目が見据え、安岡は背筋に冷たい汗を流す。
「あのままで、良いんだよ?」
限りなく優しい、穏やかな声音が、呼吸を縛って仕方が無い。声を出せなくなった安岡はただ、こくこくと何度も頷いた。
よろしい。
そういうように目を細められると、呪縛が解ける。
どっと疲れた体に、眼前に提供されていた紅茶を流し込む。あたたかい口当たりが、今は心底ありがたかった。
部屋に入室したは良いが、さて一番迅速にこの部屋から逃げ出すにはどんな語句を吐き出すのが的確か、紅茶のカップをもてあそびながら、安岡は悶々と頭を回転させるので、あった。
PR
Comments
Post a Comment
カレンダー
カテゴリー
最新コメント
[01/18 スーパーコピー バッグ 口コミ]
[01/16 スーパーコピーブランド財布N級品]
[11/06 シャネルスーパーコピー]
[10/20 ブランドバッグ・ブランド財布N級品販売通販]
[02/11 瑞肴]
最新トラックバック
プロフィール
ブログ内検索
最古記事
アクセス解析
Template by mavericyard*
Powered by "Samurai Factory"
Powered by "Samurai Factory"