いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2010.01.21,Thu
供給されるもんで、また俳パロ。
「…携帯、変えましたか?」
「うん」
あ、話題選びを間違えた。
気付いたところでもう遅い。
「そろそろ古くなってきたかなあと思っていたのだけれどね、買い換えようとしたらアカギ君が、それならお揃いのとかどうですかって言ってくれて、機能の使い方も教えて貰えるし、…アカギ君と色違いのお揃いにしたんだよ」
「へー、そうなん…」
熱弁。
脱力。
鷲巣は普段は寡黙ではないにせよ饒舌というわけでもない。己の発言にどれほどの価値と重みが付くかを重々自覚した結果そうなったらしいのだが、それがまた、アカギの話になると放っておいてもよく喋る。
「アカギ君のはシルバーでね、私は前の物と同じで黒を選ぼうとしたら、アカギ君が私には白の方が似合うって言うから白にしたんだよー」
「…へー…、ドス黒いイメージですがね」
「何がかな?」
「……いえ」
浮かれている。
何故だろう、なんとなく、苛々する。
ストラップもお揃いにしようかなあと空恐ろしいことを考えている鷲巣の手から、真新しい携帯電話を取り上げた。
「え…? 赤木君…?」
返して?
手を伸ばしてくるので、上に掲げる。
「…届かない…。赤木君? どうして意地悪… え…? 君が思い切り腕を伸ばしたら私は全然届かないんだけど…」
返してー返してー。
パタパタ腕を動かすのをナチュラルにスルーして、鷲巣の届かない位置で携帯ぷらぷら。
周りで見守るスタッフ達は数名いたが、幾ら大御所がいぢめられているとはいえ相手もそれなりの大物なわけで、手と口を出せる隙は存在しない。
「ちょ…、赤木君、それ着信してないかい?」
「…ああ、大丈夫ですよ、あの馬鹿からみたいですから」
マナーモードで震える携帯は赤木の手の中でヴーヴーと音を立てていた。
「ええ?!」
それの何が大丈夫なのか。
酷いひどいと腕を引っ張れば、ひょいと後ろ襟首を猫のように掴まれる。
「 ? 」
「返しますよ」
すとーん。
「ヒァ?! 冷た…っ!」
背筋に放り込まれた携帯は、相変わらずヴーヴーと。
「うぅう、くすぐった… ん゛ーーーっ」
脇腹に移動したー!
捩りながらパタパタしている鷲巣をヌルく見守る赤木しげる(中年)。
相手が相手なので服に手ぇ突っ込んで助けることも出来ず見守るギャラリー。
「~~や、もう、くすぐったいし冷たい…!!」
バイブレーションに音を上げた鷲巣が服を捲ろうとした時、音速を越えた拳が中年の頬骨を僅かに掠った。
「(俺の)鷲巣さんに何やってやがるこのエロ中年…」
紙一重、避けたエロ中年、もとい赤木は引き際を心得ていた。
「俺に殴り掛かる前に、バイブ止めろよ」
「…………あ」
「…アカギくんー…」
お腹に響いてくすぐったい…。
半分(くすぐったさに)涙目の鷲巣に見上げられて、アカギはやっとこ通話を切断。
身を捩っている様が可愛らしかったので、つい何も考えずにそのまま接近してしまった。
「ふぅ。…ついでに中の携帯を取ってくれるかな、この衣装、一度着崩すともう一度着込むのが大変なんだよ」
「え、あ、はい! 俺で良ければっ…」
背筋伸ばして返事している間に赤木の姿は消えていた。
あんにゃろう後で殴ると決意しながら鷲巣の衣服に手を突っ込むと、窺う視線で身を僅かに竦められた。
「……(かーわーいーいー)…」
ただの馬鹿か馬鹿っぷるか若さ故の馬鹿か、それとも全部か。
判別苦しむ彼らは、げーのー界での若きホープやら大物やら重鎮だったりする。
人間の価値は何処に重きがあるのか、軽く考えさせられる日々を繰り返して日常は続く。
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