ふたりはわしキュア

表はチャットの告知だしてるので、裏にのせるよ。
拍手変身で「○○チラ」とか素敵なネタで返してもらえたから、それネタ。
以下鷲キュア。

・・・あと、申し訳ないのですが、幸雄ファンの方はご不快かもしれないので見ない方がいいかも。

 

「話がある…っ！」
赤いサングラスの逆毛頭が立ちはだかった。
「そうか」
ワシズはマジカル☆ペンチを取り出した。
「ちょ、待、俺の主張はスルーなのか？！　話を聞いてくれ！！」
必死に拳を握り締めているのは、平山幸雄。名前の割りに幸薄い、俗称ダメギと呼ばれる彼は、鷲キュアの敵対組織の戦闘員。
いつも、ホワイトやらブラックやらと戦闘繰り広げ、最終的には、大体、埋められる。
マジカル☆杖（ロッド）で撲殺されたり、マジック☆ペンチで舌とか歯とか抜かれたりして。
「今日は戦うつもりはない…っ！　何も言わずに、これを受け取って…使ってくれ…」
ぼそん。
紙袋が、わしホワイトの足元に放り投げられた。怖いからあんまり近づきたくないらしい。
「…なんじゃこれは」
杖の先で、ちょい、と突付く。紙袋から出てきたのは…黒いバミューダショーツ（ピッタリした短パン的衣服）。
ホワイト＆ブラックが、眉を顰める。
「おい、ちょっと来い。そのふざけた顔をもう少しマシな造りにしてやろう」
わしブラックが、ペンチかちかち鳴らしながら、良い笑顔で。
「待てっ、聞いてくれ…っ！！　理由がある！」
「ほう、なんじゃ、セクシャルハラスメントか」
「杖、杖仕舞ってくれって！！！　違う！　善意だ…っ！　善意の贈り物……！　だってアンタ等、ミニスカートなんて穿いてるから…っ（ブラックはスパッツ付き）……見えるんだ……っ、偶に…っ、戦闘中…！！」
「ぁあ゛？」
「下着が…ッゲフゥ！！！！！！！！」
わしホワイト、みなまで言わさず幸雄の顎狙って杖を振り上げた。クリティカルヒット。
「この、馬鹿者…っ、下種が…っ、屑…っっ、殺す…っっっ！！！」
ごしゃぐしゃばきべしゃ。
そこに容赦の二文字は無い。
原型留めなくなってきたソレに、拷問マニアのわしブラックもちょっと引いた。ヒト型っていうかそれ肉塊、みたいになってきたので。
「埋めとけ…っ、吉岡…！！」
「は、はい…！」
ばきん。
勢い余って圧し折ったマジカル☆杖を墓標として突き立てて、わしキュアたちは鼻息荒くその場を去った。後には、ざくざくという地面を掘り返す音だけが残る。

 

 

「うぅ…酷い爺だ…、わざわざ差し入れてやったのに…」
よみがえるゆきお。
ファンタジー世界の住人だからして、不可思議な力がそこに働く。先の騒動から暫くして、地中から、原型を取り戻した幸雄が這い出す。ぱふぱふとスーツの土埃を払い、サングラスを服の裾で綺麗に拭いた。
「ふー」
一息ついたら、途端、背筋に怖気が。
「アカギッ？！」
「ククク…何を見たって…？　平山さん…」
あれ、なに、なんで両手両指バッキボキ鳴らしてんの？　しかもすげーいい笑顔で。
「教えてよ、聞きたいなぁ」
無邪気な目。でもそのバックに従えてるおぞましい粘着質な触手はナニ。
「…じゃあ、聞かせて貰うかね…クク」
ふ。薄く、煙草の煙が漂った。ただそこに存在する恐怖。

「・・・・・・・・・ぎにゃぁああああああああ！！！！！」

気の毒な悲鳴が、周囲１００ｍに木霊した。