いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2008.06.22,Sun
ちょっとセンチな帝愛シリーズ。
故意に隠された記憶。
この目は何かを思い出す。
カードを切りながら、ずっと考えていた。
「…おい、なんだか顔色悪くないか?」
「煩い」
何故。こんな薄汚い餓鬼に覚えなど無いというのに。
否、違う。目だ。この、刺すような、勝負中に時折この小童が見せる鋭い目が、なにかを。
「……貴様、賭け事で生きてきたらしいな」
「え? …うー…ん、そう、なるか…な」
歯切れが悪い。
違う、これは違う。もっと、打てば響くような。
……ちがう? なにが?
「…麻雀…、麻雀はするのか?」
「出来るけど、それでデカイ勝負ってのは1度しかしたことないなあ」
そうだ。麻雀。
「…ぐ…」
カードが、ばらばらと、落ちる。
カイジが慌てて、揺らいだ上半身を支えた。
「おい…っ?!」
支えてくる手が
ちがう
ちがう
これはちがう
犬が、けたたましく吼える。
「え、えと、どうする…? 寝かせた方がいいよな…・?」
あたまがいたい。
軽々と抱えたカイジにソファに寝かされる。覗き込んでくる、目。
「…………赤くない」
「は・・?!」
あかくない。
自分を抱きかかえる男の目は赤くなければならないのに。
あまりの頭痛に眉を顰めながら、鷲巣はそろそろと瞼を伏せた。
瞼の裏に浮かぶ、あの白い髪の男はいったい誰なのか、思い出せないままに。
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