TRUE COLORS

小便はすませたか？
神様にお祈りは？
部屋の隅でガタガタふるえて命乞いをする心の準備はＯＫ？

……というわけで、うっかりうしえざの可能性に目覚めて書いてみた　むこうぶちＳＳ

…後堂さんが男前過ぎて氷の男が勝負にならない件について。いや出てはいないけど。

「江崎」
「はい」

皿の上にオニギリ。碗に味噌汁。

「疲れたんでしょう、それを食べたら休みなさい」
「…ぁい（もごもごもご）」

尻と腰が鈍く痛む。
急な”仕事”から戻った私を迎えるこの人は、いつも通り。

「……あの、すみません。やっぱり私、ご飯頂いたら事務所に戻りますから」

後堂の自宅。こじんまりとしたマンションの一室。此処はとても居心地が良いけれど、やはり、ああいった類の”仕事”の臭いを僅かにでも残したまま、居て良い場所では無いと思う。
普通の感性を持った人に甘えて良いような人種でもない。

「疲れたときはちゃんと布団の上で眠るものです」

止めて下さい。

美味しいご飯用意しないで下さい。
頭撫でないで下さい。

好きでしている”仕事”ではないんでしょうって言わないで下さい。
それが貴方の生きる手段だったんでしょうなんて言わないで下さい。

私のこと受け入れないで下さい。

「…私、ソファーでも充分眠れますよ？」
「なら、そこにあります。ソファーでもベッドでも好きな方を使いなさい」

壁際のソファーに視線を投げられる。

「………ベッドで寝ます」
「そうですか」

私に優しくしないで下さい。

私、狗のままでいたいんです。
わかってやってますよね、後堂。





お願いですから、私を貴方と対等の人間のように、扱わないで下さいよ。