いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2010.08.07,Sat
むこうぶちSS。後堂×江崎
後堂さんがいかに押しの強い男前かがテーマ。
後堂さんがいかに押しの強い男前かがテーマ。
「江崎」
「はい」
事務所の机の上、マインスーパーで忙しい江崎に声が掛かる。
「手を出して下さい」
「はい」
特に何も考えず、江崎は掌を差し出した。
事務所での仕事中、後堂は時々江崎に駄菓子を与えてくれる。
チロルチョコであったり、飴であったり、何処かで買ってきたのか何かのオマケなのか、数日に一度程度のペース。
それだから、今日は何でしょうねえチョコレート系だと嬉しい気分なんですけどと、呑気に構えていた江崎は、すっと『手を取られて』驚いた。
「 ? 」
驚いたまま、やっと画面のマインスーパーから目を離して自分の手を見る。
既に後堂は手を引いていた、そこに、違和感。
―――薬指。
「え」
何か、嵌っている。
何かというか、指に嵌めるものなんて大抵決まっている。指輪、だ。
シルバー、それともプラチナ。銀色の、男性がよくファッションとして着けるようなデザイン的な指輪が、己の指に嵌められていた。
「え、ちょ、………えっ?」
後堂は仕事に戻っていた。
パソコンの画面を見ていた眼球が僅かに動き、江崎を捉える。
「なんですか?」
えっ。
なんですかって、こっちの台詞じゃ…。
いやしかし、こう言われてしまうと、改めてこちらからどう問うて良いのか分からなくなる。下手なことを聞いて下手なことをキッパリ言い渡されてしまったら、それこそどうして良いのか分からない。
「…なんでもないです…」
動揺しまくった江崎は結局何回やってもマインスーパーを終わらせることが出来ず、敗戦の将の気分でトイレの個室に篭城した。
そうしてそこで外した指輪の内側に小さなダイヤが埋め込まれているのを確認し、便座の上で頭を抱えて数分悶える。
「婚約指輪ですか結婚指輪ですか単なるプレゼントですか何なんですか後堂… 気になるけど聞きたくないですぅうううう……」
いやぁああ、私、追い詰められてるぅううう。
長い髪をぐしゃぐしゃと、気分のままに掻き乱す。
何より嫌なのは、外した指輪をもう一度ちゃんと薬指につけなおした自分自身で、やるせなさに悶える江崎が個室から脱出するには、もう暫くの時間が掛かりそうだった。
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