いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2010.11.30,Tue
むこうぶち妖怪パラレルSS
久しぶり~
今回は裕太登場。
此処の江崎さんは日蔭さんが割りと好き。
久しぶり~
今回は裕太登場。
此処の江崎さんは日蔭さんが割りと好き。
なんていうかそれは、結構控えめにいっても『ゴミを見る目』だった。
ちょっとしたなんだかんだで蛾の妖精、じゃなかった、蛾の妖と戦ったのは暫く前の話。傀さんの話を持ち出せば、あっという間にノってきた。よっぽど酷い目に遭わされたんだろうなあなんて思いながら、からかう程度の気持ちで仕掛けたら、ビックリするほど強かった。
所詮…っていうのもなんだけど、もとは”虫”だと思わなかったといえば嘘になる。
せっかくの戦いだってのに、遊びの要素はまったく入れない。毒の燐粉、無数の小蟲の眷属、はては人の型をとってのガチンコまで、多種多様な手で滅ぼしに掛かってこられてしまった。もっと遊んでも良いんじゃねーの。
まあ、それはいいんだ。
勝負は一応俺の勝ち。でもあれは引き分けに、運の作用がちょっとばかり加わっただけだ。
勝ったってのに負けた気持ちにさせられた俺が、お得意の話術でちょちょいっと嫌がらせでもしてやろうと思った、そのとき。
「人鬼を追う童天狗。…話に聞いてはいましたが、こんなきっかけでお目にかかるとは」
蛾の化生の懐から声が漏れた。
「 !! おい、まさか今出ようと… ちょ 待て! せめてポケットから出させ…!!」
ずるん。
趣味なのか、趣味だとしたら随分変わっている、全身真っ白でかためたスーツ姿な蛾の化身の上着の内ポケットから、黒い闇が溢れ出した。蛾の化身は慌てて懐を探ると、手の中に納まる程度の小さな丸いものを取り出した。
キラリと見えた光は多分鏡。
鏡を媒体にしている妖は結構居るから、内ポケットに入れてあった鏡を戸にして、出てきたんだろう。
ずるんずるんと鏡から出きった黒い塊は、なんだかよくわからない。
水の中に垂らされた血の塊みたいにぶよぶよしていた。
「なに、これ?」
聞いただけなのに凄い目で蛾の化生に睨まれる。
「江崎、と申します」
黒い塊は笑って、笑ったかと思うと、髭の生えた長髪の、薄ら笑いを浮べたオッサンの姿になっていた。
「お見知りおきを。…日蔭サン、薄汚れてますヨ」
「喧しい」
自分は名乗ったくせに俺の名前なんて興味ないのか、蛾の化生を振り返った”江崎”は蛾の化生のポケットからハンカチを取り出すと、俺との戦いで土埃や血に汚れた顔を拭って、ついでに掌でパタパタと白いスーツの汚れを払い始めた。
ぱたぱたぱたぱた。
どうにも居心地が悪い。
蛾の化生も、視線を俺には送らずにフラフラさせている。
「江崎、もういい、邪魔だ」
退けようとした手を華麗にスルーして、江崎はやっと俺を見た。
汚れを拭いきって満足した、みたいな感じで。
「 で 」
ニコッ
ってえ音が見えるくらいの笑顔。
「こんなに綺麗な白を汚そうとしたのは、君ですか」
そう、それは本当に
粗大ゴミっつーか、2~3日放置した生ゴミを見る目で言われた。
これが俺と黒い狗と(あ、ついでに蛾の化生さんともね)の出会いだったんだ。
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