いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2010.12.09,Thu
むこうぶち妖怪パラレルSS
裕太カワイソウ。
裕太カワイソウ。
どうも、嫌われてる気がして、機嫌をとってみることにした。
嫌われた原因は判ってる。第一印象が悪かったんだ。
あのひとのオキニイリを、見た目フルボッコしたのが悪かった。いやでもあのときは、体裁繕ってただけで俺も結構大変だったんだけどなあ。
「ゲーセンでさ、UFOキャッチャー…知ってる? あれに入ってたから取ったんだけど、俺要らないから」
あげる。
2秒前まで完全にスマイルマスクを被ってた江崎サンが、やっと俺の顔を見てくれた。
「これは」
「なんかアニメのキャラとか… よくわかんね。でも似てるでしょ、面白いから取っちゃった」
よくわからないのは本当だ。
妖怪?とかモノノケもの? なんのキャラクターか知らない、白っぽい、蝶のぬいぐるみ。両手を広げたくらいの大きさの。
色と形だけ見たら、大雑把に日蔭サン(の本性の姿)に見えなくもない。
どーかなーと思ってたけど、ちょいイラッとくるくらいに素直に受け取られてしまった。
「ありがとうございます」
営業用スマイル。
けどさっきより声音が柔らかい。
「…江崎サンはさ、なんで日蔭サンのことそんなに気に入ってんの?」
営業用に、ヒトの悪さが混じった。
「貴方も気に入っていますよ、水原裕太君」
「ふぅん」
長い指がぬいぐるみを抱いて撫でていて、なんだか変な気分になる。
「人鬼と同じ臭いがしますから」
「……それ気に入ってないじゃん。嫌ってるよね」
やっぱり、嫌われてる。
でもこの笑顔が結構好きだ。もっともっと、この笑い顔が深くならないかななんて、思う。
「好きとキライで世の中出来てるわけじゃありませんよ」
「まあ、そりゃ」
「日蔭さんのことは好きですが」
「……」
「後堂も好ましく思います」
「江崎さん、キツイ」
悪意しか感じられない。
いや、いっそ悪意があるなら良いけど、この人は俺に対してそこまで感情で執着してない。肩を竦めると、話は終りと判断された。
これは、ありがたく頂戴しておきますネ。
言い捨ててさっさとドロドロに黒く溶けると消えてしまう。今度は天狗のぬいぐるみ(あるのかは知らない)でもあげようか。
どんな顔をするだろう?
「俺も大概趣味が悪いね」
江崎サンのこと言えねーよな。我ながら。
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