いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2011.03.07,Mon
ファンタジーなとんでもにょた設定。
ひかえざSSS。
ひかえざSSS。
(注:江崎)
「なんだかよくわからないのですが、こういう状況でして」
「……………何?」
ベッドの上に、しなっと座っているこれはなんだ。
作られた笑顔に、かろうじて名残りがあるような気がしなくもないが、これはなんだ。
日蔭はソレをまじまじと見つめ、強く瞼を伏せて軽く一分瞑想してから目を開けた。…眼前の光景は変わらない。
「えざき」
「はい、そうなんです」
「えっ」
「私なんですよ」
「いや、…え?」
「日蔭さん、驚きすぎて素になってますヨ」
まあ、たしかに。
口調は完全に江崎だし、肌の色だけを見れば、ほんのり褐色がかったこの色合いは江崎のものだ。髪質もなんとなくこうだったような気もする。
「…何をしているんだ」
「何もナニも、私も困ってるンです」
仮装とか、そういったレベルのお話ではない。
しかしどうやら、信じがたいがこれは江崎らしいと日蔭はとにもかくにも認識した。現実を受け入れることが腕の良い雀士の第一前提である。
わきわきと、奇妙な動作で挙動不審者になっていた日蔭が、ハッと思いついたようにトランクを開けると何かを取り出す。
なんだろうと、江崎は大人しく見守っている。
動揺する日蔭はいつでも見られるが、動転する日蔭というのはそこそこ珍しい。
「使え」
放り投げられたのは、新品の男性用のワイシャツ。
穿けるなら、これも使って良いと次いで投げられたのは白のスラックス。そしてベルト。
「でも、これは」
「良い、使え。その奇妙な格好よりはマシだろう」
へえ。
江崎の片眉が上がった。
30も半ばのヒゲの中年が、思春期の少女がするようなファンタジーファンシーセクシーな格好をしているのは嫌だろうと、そういう気遣いなのだろう。
もし自分がそんな状況に陥ったら発狂する とでも思ったのかもしれない。
おかしなひと。
焦燥で殴りつけるのも独占欲で締め上げるのも平気なくせに、どうしてこんなことを気遣うんです。
別に、平気なのに。
暴力を振るわれるのも強姦されるのも、少女のような格好をさせられるのも、愛されるのも、なんらかわりないことだから。
「日蔭さん、優しいですねえ」
「そういう問題か」
おかしなひと。
なんだかひどく愛しいような気がして、本当はどうだって良かったのだけれど、江崎は膝の上に置いたワイシャツに手を通すことにした。
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