いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2010.07.04,Sun
むこうぶちSS
華僑組。
…布教する気が無いのかというと、そんなつもりもないんですけども。
うちの江崎さんはこんなんです。
華僑組。
…布教する気が無いのかというと、そんなつもりもないんですけども。
うちの江崎さんはこんなんです。
「アオザイ?!」
「流石後堂、よくご存知ですね」
くるりと江崎はその場で回って見せた。
シャラリと衣擦れの音がする。音と光沢から察するに、シルク素材。
果実味の強い赤ワインのような色合いの中、金の糸で龍が刺繍してあった。下は白のクワン(パンツ)なので、色の艶やかさが一層引き立っている。
「…それくらいは知っています」
江崎の肌の色にも体のラインにもピタリと合っている。気味が悪い、ほどに。
「一寸出掛けてきます。彼らも連れて行きますので、戸締りヨロシクお願いしますね」
顎で指したのは、江崎の直属の部下数名。全員が、黒いスーツ姿に黒いネクタイ。これで違和感を覚えるなという方が無理がある。
「何処へ、…行くんですか」
ラッパ型に広がった袖で口元を隠した江崎が笑っている。
「察してるクセに言わせるンですか?」
”それ”は、江崎なら決して選ばないような色の服で、江崎なら好まないようなラインを強調するつくりの服。
「……『仕事』なら、私も行きます。私も『此処』で仕事をしている者でしょう」
江崎の眉が軽く上がった。
「…ふふ、うふふふふ、貴方は本当に面白い。貴方のそういう所、好ましいです」
薄っすらと瞼を持ち上げる。
笑みの形になっていない江崎の双眸を見るのは、随分と久しぶりのことだった。
「しかし、いけませんねぇ。仕事をこなせる人材でなければ、私の評価が下がってしまいます」
「私の…!
「後堂」
ガリン。
音がした。
江崎が口の中で転がしていたハッカ飴を噛み砕いた音だと、匂いで判る。
「貴方は覚悟の持てる方です。狒々爺に突っ込まれて嘗め回されろと言われても恐らくこなしてしまうでしょう。受身にならなんとかなれます」
がり・がり・がり。
「では、金と溝の臭いしかしないバァさんに突っ込めますか? 小娘のような格好させられて、観衆の中で、酒と他人の快楽のツマミにされながら勃起させられるンですか?」
「……ッ」
がりっ。
江崎の喉仏が上下に動いた。
「私は出来ますヨ」
「………」
だから、私が行くんです。
部下に新しく渡された飴を舌先が受け止め、咥内へ収める。
ころころと転がしているのか、頬がほんのりと膨らんだ。
「…”いってきます”、後堂」
「……はい。…お気をつけて」
Good Job
嘯いた江崎が背を向ける。
ずるずると部下を引き連れて、赤いアオザイは姿を消した。
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上司と部下という線引きもちゃんとしています。
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