いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2010.07.13,Tue
昨日の続き。俳優パロ。
面子揃って。
面子揃って。
局内、某所。
「あ、おとうさん」
「おや、久しぶりだね」
同じ敷地内に住む親子の会話としてはどうかと思うが、敷地内には屋敷が2つある上に、最近はワシズが何かと忙しかったのだから仕方がない。
「旅行のお土産、ありがとうね。アカギ君も喜んでいたよ」
「そうですか? 良かったです…、日本手拭なんて若い人には渋すぎるかとも思ったんですけど、とっても素敵な出来だったので…」
実の父親の恋人(19歳、男性)にまで土産を買ってくる律儀さもどうかと思われるが、そういう人物なのだからこれもまた仕方がない。
旅館で売ってたんですよと楽しげに報告する息子を微笑ましく見守っていたお父さんは、お父さんらしいことを、聞いてみる。
「楽しい旅行だったかい?」
「はい!」
櫓がどうの盆踊りの輪がどうの、虫の大合唱がどうのこうの。
うんうんと、頷きながら聞いていた鷲巣のにこやかな眼差しが、ほんのりと上げられた。
「そんな素敵な場所を見つけてくれるなんて、赤木君は凄いねえ」
「はいっ!!」
浴衣が凄く似合うだの、全然道に迷わないだの、射的が上手いだの、どうのこうの。
「…射的が?」
「そうなんです、なんでも上手でびっくりするんです。あ、でも型抜きは少し苦手そうでした」
「へえ、そうなのかい」
にこにこと。
ぱたぱたと。
一頻り喋り捲ったワシズが、じゃあお仕事に行ってきますと若干慌ててその場を去って、更にたっぷり1分経過してから鷲巣は笑顔のまま後ろの観葉植物に声をかけた。
「立ち聞きはどうかと思うよ、赤木君?」
「………途中から気付いてたでしょう」
ワシズが居なくなったので、煙草を咥えて火をつけて、観葉植物の陰からのそりと現れる不良中年。
「恋人からの自分の評価が気になるなんて、可愛らしい所もまだあったんだねぇ」
「ぐっ…」
どつきたいが、どつけない。一応相手は大先輩で義父である。
ジレンマの中、とりあえず拳だけ握り締め。
眉間に深い縦皺を刻む赤木はそのままに、数歩歩いてから、止まる。
「……ところで私は、家ではもっとあの子の惚気話を聞かされています。例えば…」
「んな゛っ 例えば?!」
「あっ、アカギくん、お仕事は終わったのかな? お昼を一緒に食べようね」
「鷲巣さんっ、待ってて下さったんですか?! 嬉しい…!! 是非ご一緒させてくださいっ」
「ちょ、おま、例えばなんですか!」
「…オッサン、邪魔するな。俺と鷲巣さんの時間が減るだろ」
「るっせぇジャリ餓鬼ッ!」
「ぁ゛あ?!」
「アカギくん、行かないのかい?」
「行きます」
キリッ。
般若が菩薩になる勢いで、180度転換。
結局、あれやそれやを聞きそびれた赤木は微妙なストレスを抱えたまま、次の仕事に向かうことになったのだった。
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