おおおわったあああああ!
俳優パラレル浴衣物語やっとおわりましたー。
長かったー。
あーでもいっぱいえろえろしいこと書けて満足です。
どれだけ時間がたったのか、消えかけている意識の中で、アカギが抱きしめてくる感覚だけはかろうじて感じられた。
「………ぁ」
声どころか、音を発するのも億劫だった。後ろから何度も突かれて中に注がれ、動く度に中の体液が溢れる頃には後ろから抱きしめた形で膝に座らされて、耳から音で、腰から下は物理的な快感で犯された。擦られて抓られた胸の突起は今、なにもされていなくても、シーツに触れるだけでピリピリと細かい熱を持っている。
「……」
唇だけ数度動かせば、アカギの唇が寄せられた。重なって、舌が溶け合うほど熱く吸われる。アカギのものはまだ己が体内に納められていたが、もう流石に出せるものはないらしい、十数分前にくらべれば大人しいものだった。
「…あかぎくん」
心配そうに、覆いかぶさって頭を撫でているアカギに、最後の気力でもって笑みを向けてみせる。何かもう一言、声を掛けてやりたかったけれど、疲弊の極致にある肉体はそれを許してはくれなかった。
そこで意識はブラックアウト。
リビングのソファーに鷲巣が腰掛けている。
腰の後ろにはクッション。右手に、ドライトマトを記事に練りこんでクリームチーズとレタスを挟んだベーグルサンド。もぎもぎと、咀嚼する鷲巣の歯はすべて自前のものであった。
「美味しいねえ」
「気に入って貰えて嬉しいです! 甘いのもあるから食べて下さいね」
チョコレートベーグルはオレンジピールが混ぜてあって、それがまた美味しいんですよと、頭頂部にタンコブを貼り付けたアカギが全力でお勧めしている。
甘いものが好きでないオッサンは、リビングの床に直座りでアボカドとシュリンプを挟んだベーグルをがもがもと不機嫌に噛み締めている。タンコブ製作者は、このオッサンであった。
赤木は、早朝にこの部屋に『帰って』きていた。
この不憫な部屋の主の昨夜を、ダイジェストにお送りしてみよう。
アカギのうっとうしいまでの主張に、折れるべきではなかたっと月を見上げながら部屋の主は紫煙を吐き出していた。
このマンション、戸別に防音処理はされているのだが、室内にまでその処理は施されていない。寝室から、微かにナニカが聞こえてくる。なにかは、深く考えたくはない。考えなくても分かるのだけれども。
仕方がないのでテレビをつけた。面白くもない深夜番組は観る気にはなれなかったが、とりあえず室内に音が満たせるならばそれで良い。
「………」
自分の家、なのに。
「…居心地が」
すごく、悪いです。
「…くっそ…」
もう、いい。
これは逃走ではない、戦術的撤退だと、誰に向けてか捨て台詞かましながら赤木は重い腰を上げた。こんな居心地の悪い空間で一晩過ごすのは軽い拷問である。どこか外で時間を潰すか、酒でも呑んでくる方がまだ建設的な時間の使い方だ。車のキィを指に引っ掛け、歩き出した、ところで
此処で赤木に電流走る…!!
「…!! そういや…」
寝室の前を通らないと、玄関には出られない。
「………」
深いため息。
俺、そんなに日ごろの行い悪かったかなと、数秒真剣に考えた。
これが、アカギが連れ込んだどこぞの女性が相手であったなら、此処まで悩みはせずに、明日アカギをぶん殴ることだけ心に誓ってリビングのソファーででもなんでも寝付くのだけれど、相手があいてなので落ち着かない。
昔の恋人であり、現在の恋人の実父であり。
現時点でそんな気は更々無いのだが、これでもし部屋の前を通って何か耳にしてなーにーかー自分が反応してしまったりしたら、後ろめたいことこの上も無い。
「ああ゛ぁ゛あ゛あああ」
連鎖的に色々思い出してきてしまった。
そこは詳しく思い出したらいかんだろうという記憶の蓋まで開けそうになった赤木は、全力で記憶の蓋を閉じようと、抵抗。現在の恋人のことを思い出そうとしたら、(自分の脳内で勝手に)相手がほろほろと泣き出した。
「ぬがぁっ…!!!」
ちがうちがう、別に思い出したくておもいだしたわけでも、そっちが良いから回想しているわけでもない。
切羽詰った駄目な神域は、両手で両耳塞いで寝室前の廊下を突っ切り玄関から脱出した。
月明かりの眩しい真夜中の話であったという。
「ああ、これも美味しいね。クリームチーズとメイプルシロップ? 後で店舗の場所を教えて欲しいな」
「喜んで。イートインもあるんですよ」
朝の青空、ベランダに、アカギが洗濯して干したシーツと枕カバー。+シャツ、ズボンの白が翻る。
ある意味シュールだよなと、カレーパン齧りながら赤木は思った。
「あ、鷲巣さん、チーズがついてますよ」
「ん…? …とって?」
「はい」
「口で取るなぁあああああ!」
高速のツッコミ。
「赤木君…」
「なんですかその目は、なんっで俺がそんな『空気嫁』みたいな目で見られにゃならんのですか、俺の家ですよね此処は?!」
「空気読めよオッサン」
「ぃやっかましい!!」
どうにも、鷲巣絡みの場合は碌な扱いを受けられない中年は、苦虫噛み潰してコーヒーを啜った。
こいつ等は二度とセットで家には上げまいと誓うのだが、誓うのと実行できるかどうかはまた別問題だったり、する。
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