忍者ブログ
いわゆる裏的な
[169] [167] [166] [165] [164] [163] [162] [161] [160] [159] [158
Posted by - 2024.11.01,Fri
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Posted by 瑞肴 - 2009.02.02,Mon



…あー
パラレルになっちった…。

魔王アカギ×魔導師鷲巣様でぃす。











どうにも、自分の様子がおかしい。
と、いうよりは、この城の中がおかしいのだろうか。
鷲巣は、静かな闇に包まれた空を見上げて眼を細めた。

「鷲巣?」

呼ばわれる。
出会って何年…何十年?経った、ものか、そうだ、それもおかしい。
鷲巣巌のベースはあくまで人間で、それはいくら、彼が、延命の術を施したところで覆せない事実で。

「…アカギ」

綻びが生じて当然の、この体。
延命の術は数百年しか持たないと、大抵の術者の研究結果はそれだった。それ以上はヒトの肉体がもたない、のだ。どれほどの代償を差し出そうと、魔力を費やそうと。
別の何かにでもならない限りは。

「……何をした」

この体に、なにを。

「…ああ」

アカギは事も無げに。

「アンタは死なせない」

「……」

馬鹿な。
いえない。
アカギは、鷲巣巌を己がもとへ置くためならなんでもすると、知っている。

「…わしの役目はどうするつもりじゃ」

闇の魔導師は、いずれ光に打ち倒される。それが、この世のシナリオ。そうやって、世界は周期的に膿を掻き出し排除して、浄化と再生を繰り返してきたのだと、歴史と文献は物語る。
鷲巣はその役目を担っている。”世界を覆える程の力を持てる代りに、いずれ必ず打ち倒される”運命。

鷲巣がアカギのもとを訪れた理由は、その辺りにある。

いずれの歴史の中においても、魔王は常に中立であった、まるで神のように。闇に覆われる世界と光で浄化されていく世界を交互に、繰り返し、ただ傍観していた。
中立でなければならぬほどの、力の持ち主なのか。鷲巣はそう推察し、それは実際間違いではない。
だから、鷲巣はアカギに挑んだ。運命を打ち倒す力が欲しかった。

「させねえ」

「…ぁ゛あ?」

アカギにも、どうやら、彼は彼で”役目”があるらしいと知ったのは最近。
”闇と光の、繰り返されるサイクルを見守り、そして成される世界の調和を見守ること”。

「…馬鹿か貴様は。わしが…消えねば、この世界の均衡は崩れるじゃろうが」

月のようにアカギが哂った。

「崩れてもいい」

「…っな…」

「アンタを失うくらいなら、世界が失われた方がずっといい」

「……なに、…?」

嗚呼、やはり、気のせいなどではなかったのか。鷲巣は暗く確信する。

最近、季節の巡りがおかしいと思った。
自然界の精霊が極端に増えたり減ったりしている。
ワームホールとでもいうべきか、次元の歪がぽつりぽつりと、世界中に出現している、らしいと聞いた。

「貴様は、… …」

「アンタだけは俺が護る。アンタがいればいい、アンタがいるなら、世界なんてものは、いらねえ」

淡々と。
眉を顰めた鷲巣の体を、アカギが抱き締める。

「俺が大切なのは、鷲巣巌だから」

だから別に、他の何が失われようとどうだって良いんだと、再度、アカギは哂った。
抱き締める体温に反して、月よりも冷たく。





拍手[0回]

PR
Comments
Post a Comment
Name :
Title :
E-mail :
URL :
Comments :
Pass :   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新コメント
[01/18 スーパーコピー バッグ 口コミ]
[01/16 スーパーコピーブランド財布N級品]
[11/06 シャネルスーパーコピー]
[10/20 ブランドバッグ・ブランド財布N級品販売通販]
[02/11 瑞肴]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
瑞肴
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
Template by mavericyard*
Powered by "Samurai Factory"
忍者ブログ [PR]