いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2009.02.02,Mon
…あー
パラレルになっちった…。
魔王アカギ×魔導師鷲巣様でぃす。
どうにも、自分の様子がおかしい。
と、いうよりは、この城の中がおかしいのだろうか。
鷲巣は、静かな闇に包まれた空を見上げて眼を細めた。
「鷲巣?」
呼ばわれる。
出会って何年…何十年?経った、ものか、そうだ、それもおかしい。
鷲巣巌のベースはあくまで人間で、それはいくら、彼が、延命の術を施したところで覆せない事実で。
「…アカギ」
綻びが生じて当然の、この体。
延命の術は数百年しか持たないと、大抵の術者の研究結果はそれだった。それ以上はヒトの肉体がもたない、のだ。どれほどの代償を差し出そうと、魔力を費やそうと。
別の何かにでもならない限りは。
「……何をした」
この体に、なにを。
「…ああ」
アカギは事も無げに。
「アンタは死なせない」
「……」
馬鹿な。
いえない。
アカギは、鷲巣巌を己がもとへ置くためならなんでもすると、知っている。
「…わしの役目はどうするつもりじゃ」
闇の魔導師は、いずれ光に打ち倒される。それが、この世のシナリオ。そうやって、世界は周期的に膿を掻き出し排除して、浄化と再生を繰り返してきたのだと、歴史と文献は物語る。
鷲巣はその役目を担っている。”世界を覆える程の力を持てる代りに、いずれ必ず打ち倒される”運命。
鷲巣がアカギのもとを訪れた理由は、その辺りにある。
いずれの歴史の中においても、魔王は常に中立であった、まるで神のように。闇に覆われる世界と光で浄化されていく世界を交互に、繰り返し、ただ傍観していた。
中立でなければならぬほどの、力の持ち主なのか。鷲巣はそう推察し、それは実際間違いではない。
だから、鷲巣はアカギに挑んだ。運命を打ち倒す力が欲しかった。
「させねえ」
「…ぁ゛あ?」
アカギにも、どうやら、彼は彼で”役目”があるらしいと知ったのは最近。
”闇と光の、繰り返されるサイクルを見守り、そして成される世界の調和を見守ること”。
「…馬鹿か貴様は。わしが…消えねば、この世界の均衡は崩れるじゃろうが」
月のようにアカギが哂った。
「崩れてもいい」
「…っな…」
「アンタを失うくらいなら、世界が失われた方がずっといい」
「……なに、…?」
嗚呼、やはり、気のせいなどではなかったのか。鷲巣は暗く確信する。
最近、季節の巡りがおかしいと思った。
自然界の精霊が極端に増えたり減ったりしている。
ワームホールとでもいうべきか、次元の歪がぽつりぽつりと、世界中に出現している、らしいと聞いた。
「貴様は、… …」
「アンタだけは俺が護る。アンタがいればいい、アンタがいるなら、世界なんてものは、いらねえ」
淡々と。
眉を顰めた鷲巣の体を、アカギが抱き締める。
「俺が大切なのは、鷲巣巌だから」
だから別に、他の何が失われようとどうだって良いんだと、再度、アカギは哂った。
抱き締める体温に反して、月よりも冷たく。
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