いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2009.02.28,Sat
・・・まあ、そういうこと。
目を、擦る。
…なん、だ、あれは。
………。
「…アカギ?」
呼ばわると、耳、が。
…耳か? あれは。
アカギの頭髪から、見え隠れする、犬のような耳が此方を向いた。
次いで、顔も此方を向く。
夢じゃな、これは。
自分に都合の良いことになら、ファンタジーにも大いに対応し順応する鷲巣だが、自分に都合の悪そうなことに対しては非常に現実主義になる。
早々に、今の、非現実的な事態を放棄して、本へと視線を戻した。
「呼んでおいて、なんだ」
アカギが直ぐ傍に。
やはり、白い、否、銀色の犬の耳に見える。ピンと立ったそれは、狼を連想させた。
「…フン」
夢の中でまで、アカギの相手をするのは面倒くさい。それにこの夢はどうやら本は読めるらしい。ならこの本の続きが読みたい。
「鷲巣」
頬に触れた指を邪険に振り払う。
と、背後。
「?!!!?!」
アカギの、背後。
ばたばたと、揺れる、尻尾。
「…鷲巣?」
アカギは気付いてもいないのか、激しく振られている尻尾はこれまたイヌ科の獣の尻尾によく似ていた。
「……あ、…アカギ?」
流石の鷲巣も本を閉じ、膝の上に置く。
なんだこの夢は。アカギに妙な耳と尾がついている、とは。
まさか己はアカギをペットとして飼いたいという願望でも持ち合わせているのか、否、それはない。
不可解極まりない。鷲巣は、思わず手を伸ばし、アカギの頭…獣の耳に触れてみた。
やわらかい。
「っ?!」
「…鷲巣? どうした、さっきから」
貴様がどうしたんじゃ!!!
ああ、いや、夢か…。
アカギの背後が煩い。バタバタ尻尾が振られている所為だ。
一寸待て。鷲巣は思う。どうやらアカギに引っ付いているのはイヌ科の耳と尾で、その尾がこうも激しく振られている、ということは、アカギはもしかして、いま、喜んでいるのだろうか。
常の通りの鉄壁の無表情。
先ほどまでは微かな薄笑いが一瞬浮かびもしていたが、いまのアカギに表情はない。いつも通り。
「・・・・・・・・・アカギ?」
呼んで、獣の耳に触れれば
落ち着いていた尾の振れ具合が、一気に激しく跳ね上がった。
「…っ?!」
「…どうした? 鷲巣?」
「…いや、……アカ… うぐ…っ?!」
名を呼ぶだけで尻尾の振れが激しくなるのだ。喋り辛くてかなわない。
なんだか急に恥しくなってきて、鷲巣はそのまま黙り込んだ。
アカギは相変わらず、真っ直ぐに鷲巣を見つめている。
アカギの背後から聞こえてくる尻尾の音が、静かな室内に延々と続いた。そうな。
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