いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2010.07.20,Tue
偶には、かっこよく。
むこうぶちSS 氷の男が狗と出歩く。
むこうぶちSS 氷の男が狗と出歩く。
きゃらきゃらと、女性二人は会話に夢中になっている。
混み合った駅の中、緩やかな歩行速度は通行の邪魔以外の何者でもないが、よくある光景といえば、光景だ。
急いでいるわけでもないので只、歩を進めていた江崎の隣から声が発せられた。
「足りない頭でする内容も無い会話など、してもしなくても同じだろう。退け、通行の邪魔だ。馬鹿女」
吐き捨てられた言葉に、前を歩いていた女性二人は振り向いて、相手を睨みつけようとして完全に怯んだ。
塵を見る目で無表情で言い切った氷の男の威圧感といったら、ない。
「そこの『左側通行』の文字も読めないからダラダラと通路に広がって歩いているんだろうが。字も読めない子供が街中を出歩くな」
罵倒ではない。本心からの言葉に感情の揺れは無い。
完全に固まってしまっていた女性たちは周囲の『男への同意の視線』に気付くと、目配せしてからヒールの音をさせて走り出してしまった。
人ごみの中を逆送して逃げ去っていく、細い体。
「…フン」
特に感慨もなく改めて歩き出した日蔭だけれど、隣の江崎が歩を緩めたので、なんだと視線をそちらへ投げる。
「日蔭サン」
「 ? 」
「格好良かったです。私、いい歳してトキメキました、今」
「…? そうか」
冗談とリップサービス抜きで惚れるかと思いましたと心中付け加え、なにゆえの江崎の言葉かと分かってもいない様子の日蔭を素晴らしいと、思う。
「抱いて下さい」
「ああ。 ……って、はぁ?! なっ、何を言ってるんだ貴様は…っ」
狗の、氷の男への評価がちょっと変わった、混み合った駅の中での話。
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日蔭さんまじかっこいい。
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