いわゆる裏的な
Posted by 瑞肴 - 2008.09.09,Tue
ふふ。
やっちゃった。
以下、昭和の女帝 鷲巣依和緒 編。
さすがに、さわりだけですが、こりゃ楽しい…w
「こちらです……」
白スーツ、サングラスの男たちに案内され、一行は邸の奥へと進んだ。
不気味に静かであった。夏だというのに、邸の中へ入れば虫の音ひとつ聞こえない。深い赤い絨毯の上を進む。異国を訪れたかのような違和感。
案内された部屋も、静かだった。
1人で、こんなところに案内され、待たされでもしたら、耳が痛くなりそうだ。斬ったはったの世界で生きる仰木にすら、この空間は異質過ぎて居心地が悪かった。生でもなければ死でもない、深夜の細い月のように静かな空間。
小さく、ドアノブが動いた。
現れる相手を待つ。
ドアを開けたのは白服の男、直ぐに進路を、後を歩く主へ譲る。
なんという。
まず目に入るのは、猫科の獣じみた特徴的な双眸。目、自体は大きいのだが、瞳の部分は反比例して小さい。いわゆる三白眼に近いのだが、その赤い目が、真っ直ぐにこちらを見据えてくる。
次に視線が落ちるのは、その目の少しばかり下。上半分、殆ど露になった乳房の谷間であった。75歳というプロフィールを信じるならば、驚異的な張りであり艶。ちらりと覗き見える鎖骨や、杖を軽く握った手の、骨の浮き上がった肌に比べて、その部分だけが妙に生々しい。流石に若い娘の肌艶には劣るのだろうが、健康的とは真逆の、触れればねっちりと指に吸い付きそうな熟しきった肢体であった。
足、足は、腰骨から十数cm下から大きくスリットの入ったスカートで包まれていた。黒いストッキングを履いた足はすらりと伸び、姿勢が良い所為だろう、立ち姿を美しく見せている。深い黒色をしたヒールが良く似合っていた。そこそこ高く、尖ったヒールで白服の部下でも踏み躙れば、恐らく絵になるだろうなどと不謹慎な想像をさせるほどに。
「…君が…今宵の相手かね?」
くつりと笑う。
耳朶にぶら下る、紅玉のイヤリングが光る。透明感よりも、深さが際立つ。この女帝の瞳の色と同じだった。
「……そうです」
「…歳は?」
「19…」
アカギが応え、女帝は笑みを深くした。
熟しきった果物に爪を押し込み傷つけたときのような、ひどく後ろめたい悦びを呼び起こす表情だった。そのまま、無造作に、不躾に、実を割り貪りつきたくなる、”そうせよ”と言われているかのような錯覚を起こす。
「結構…結構…、…若者は良い……」
仰木は不意に、部屋の空気が変っていることに気が付いた。
濃厚な、甘美な、ねっとりとした闇が満ち、その空気の中で異国の家具装飾品は息衝いていた。
この怪物には無機物ですら傅くのか。
ただ1人、常と変らぬ静けさで立つアカギに、いいようのない安堵と不安を覚えた。
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