俳ぱろつづき。
ちまちまあげてます。
今回は昔馴染みとうさぎのターン
「はぁっ!?」
思わず、反射で聞き返す赤木である。
鷲巣は、小首を傾げて赤木を見上げている。
アカギは今ここに居ない。まあ、特急で戻っては来るだろうが、とにかく今は彼は風呂の中だ。嫌なタイミングで話題を振ってしまった己を後悔しつつ、赤木は大きく息を吐いた。
「…俺の提案はおかしかったですかね?」
「君は、私に一人寝をしろと言うのかい」
言いました。確かに言いました。
だからなんだー!!
と、叫べるなら苦労しない。
赤木がペースを崩される相手がワシズであったなら、逆らえないのが鷲巣だったり、する。情けないと思うなかれ、意味は違うがこの親子の破壊力は並大抵ではないのだから。特に、鷲巣に関してならば、昔のごにょごにょもあるし、仕事上でも大先輩であり、子息とのごにょごにょのアレのソレなどもあって、勝てる気がしない。
この場にアカギが居たならば、鷲巣もある程度、猫なりなんなり被ったろうが、いまは赤木と2人きり。猫を被る理由が、無い。
「だーかーらー… アンタは(俺の)ベッドで寝て下さい。で、俺はソファーで寝ます。アイツは床に転がします。俺の家ですからね?!」
「アカギ君と一緒に寝れないなら私も床で寝
「自分の歳と体力を尊重して下さい。アンタは、ベッド。これは譲りません」
先程から堂々巡り。
流石に、流石の赤木でも、鷲巣を床に転がす気は無い。75歳の人生の大先輩を転がせるほどには、非道には出来ていない、これでも。
「……人の家で、一人で寝台で眠るなんて耐えられないよ…?」
「…俺は、自宅の俺のベッドの上でイチャつかれるのは御免なん で す よ」
「私は我慢するのに…」
「アンタが我慢出来てもアレが我慢出来るか判らんでしょうが!! …膨れても駄目です! 拗ねても駄目!!」
一層膨れたが、赤木、敢えてスルー。
「……やだ…」
「…やだじゃありません」
再度、ため息。
新しく煙草を咥えた赤木が、ふと気付く。
鷲巣がこれほど我が侭を通そうとしているのは、初めて見たかもしれない。人の心理を読み取ることに長けている所為で色々と、悟りと諦めの早い人物なので。
それだけ鷲巣の中でアレが重要なものなのだろうと、思った。
「…赤木君」
少々だがしんみりしていたら、目が、合った。
「…っ!」
逸らせ、そらせ俺。
「…赤木君、ダメ? ね? 一人で寝るのは寂しい…」
20ン年前なら、なんやかんや言ってもコレで確実にオチていたろうが
「だ め で す。…大人なんだから、一人で寝られます」
多少、絆されていたのは事実。しかし、見抜いてしまったからには譲れないものもある。歳食った赤木だからこそ気付ける、こと。
「……腰がちゃんと据わってないですよ、今。どんな体勢で何やったのかは聞きませんがね、体に不調が出て困るのはアンタだけじゃないんですから、今日は我慢して下さい」
アカギはまだ今ひとつ、相手が75歳だということをちゃんと認識出来ていない節がある。それに加えて鷲巣がアカギを促して鷲巣自身に無理を課した動き方をするのだから、どうしようもない。
武道やら何やらで鍛錬している鷲巣の日常の動きは、芯が安定しているのだけれど、今日この家に来てからだけで判断すれば、僅かにそれがブレていた。
自覚はしていたのだろう鷲巣が、不満そうにだが口を噤む。
そうしてやっと現われたアカギに、何を鷲巣さんを苛めているんだと濡れ衣?を掛けられた赤木は無言で鉄拳制裁を相手の脳天に叩き込んだ。
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